DrBulucaniloの日記

独身女臨床獣医の読書感想文

『経済ってそういうことだったのか会議』佐藤雅彦 竹中平蔵著 感想

 

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)
 

 

私は現在理系専門職に就いて2年目になります。6年制の学部だった上に田舎の大学だったため、世の中のことに疎いまま社会に出てしまいました。「このままではまずい、一般常識がない」と書店で手に取ったのがこの本です。

2002年出版ということもあり、トピックはひと昔ほど前の情報になりますが、「経済とは?」という根源的な問いや「株・為替・税金・そもそも資本主義社会とは何か?」など基本的な事柄が教養豊かな2名の対談形式でわかりやすく書いてあるので楽しく読むことが出来ました。とてもわかりやすいのですが、竹中氏の個人的な考えも織り交ぜられているため私のような経済一般常識を備えていない初学者は誘導されてしまうかもしれません。しかし、私はなるほどな~と思うところが多かったです。

 

印象に残った文をいくつか抜粋します。

「我々が、個人としてだけでなく、それを発端とする学問がオイコノミクス、つまり経済学の始まりだったのだ。-やぱり経済は信用なんです。-ただ一つ言えることは、お金を稼ぐということは、この社会の中で価値を生み出しているということです。だから、価値を生み出している人を罰するつもりがなのであれば、(税金について)とり方にはあまり差をつけないほうがいいですよね。ーまったく新しいことをやることは、そもそも実績も制度もないからいつも、まわりから否定されますよね。その分、個人が背負うリスクは大きいですが、まったく新しいことは、そもそものルールを作れるくらい自由ですね。その創造の喜びこそ、真の自由だとおもいます」

 

日々自分の行っている仕事を、巡り巡って社会全体にとっての何らかの「価値あるもの」にしなければいけないですね。日々の生活の糧のため、(いつかは)他の誰かのために、そして何より自分や大切な人物のためにがんばんなきゃなと前向きになれます。近年の込み入った他国と日本経済と情勢を理解することは一筋縄ではいきません。これから情勢を読み取っていくために、折あるごとに読み返したい本です。